耕作放棄地を再生する
この田んぼは無理だから止めたほうがいいよ、
そう言われた場所を今年は田んぼにしようと耕しました。
森のうまごやから歩いていける場所に、耕作放棄地が幾つかあります。
今年は、この放棄地を2枚、再生することにしました。
一つは4-5年ほど、もう一方は20年も使っていなかったといいます。
まずは、水の取り入れ口探しから。
アタリをつけて田んぼの畦きわを掘っていくと、
だいぶ埋もれた土管がでてきました。
反対の水路側から水をいれてみても、一向に水が出てきません。
スコップも入らないような細い土管の詰まりをなくすには?
井戸の掘り方を思い出し、やってみることにしました。
土管に単管パイプを差し込んで、端をハンマーで叩き、
パイプに詰まった土を少しづつ取り出します。
はじめは2mのパイプで掘り進めていきましたが、
延長して4mまで長くしても、まだ水が出てきません。
しかたなく、6mのパイプで掘り進めることに。
6mあれば、向こう側の水路に届くほどの長さです。
長いパイプは出し入れが大変。
硬い石を動かした感触。
ついに、チョロチョロと水が出てきました。
ゴロゴロと大きい石が出てきて、水が溢れ出してきます。
結局、土管のほとんどが詰まっていたようです。
次は、田んぼを耕せるかどうか。
試しに掘ってみると、
化け物のような太い根っこが深く広くはびこっていました。
どこに生えているのかわからず、
あらかじめ掘り起こしておくこともできません。
後で伸びてきた葉をみるとカラムシだということがわかりました。
諦めかけていたところ、
鍬で端から掘るしかないじゃないって、
家族のみんなが手伝ってくれることになりました。
1枚の田んぼが終わる頃には、周りの畦を覆うほど出てきました。
もう一つの放棄地田んぼにも、すごいのが生えていました。
こちらは、スイバのオスです。
耕作放棄地を開墾しようとするとカヤの株根が厄介な植物なんですが、
湿気の多いところではカラムシやスイバも多く、
放置していると根が大きくなってしまい大変なことがわかりました。
やっとの思いで根っこを取り出し切ったところで水を入れていきます。
しかし、いくら水を入れても溜まりません??
あちこちから水漏れが起きていました。
大急ぎで畦塗りや代かきを始めます。
まずは犂(すき)で土を起こしていきます。(荒くり)
次は起こした土を砕土機で砕いていきます。(荒代)
これでも水が溜まらないので、
数日経ってから同じことを繰り返していきます。(中犂)
これを3度も繰り返すと、やっと水が溜まるようになってきました。
この田んぼの田植えは、大学生が手伝いにきてくれました。
もう一つの田んぼは、
森のようちえんの子どもたちにも手伝ってもらいました。
耕作放棄地を再生することは余計な労力かもしれませんが、
それまでの農薬や肥料など前作の影響がなく、
自然栽培を始めるのに向いているのではないかと期待しています。
協力してくれた家族や大学生、子どもたちに感謝!