耕さない田んぼで馬耕!?
森のうまごやの田んぼの脇には、生き物が住みやすい余白があります。
そこで水路からの冷たい水の流れが、穏やかになって田んぼに入ります。
水が多すぎるときには田んぼに入らず出口から流れ出ていきます。
この水路と田んぼの中では水温がびっくりするほど違うんです。
6月の終わりにもアオガエルの卵が見られました。
昨年、馬の耕太郎と耕した田んぼは水持ちがとても良く、
雨が降ると水がしばらく溜まっていました。
深く耕し代かきを繰り返した効果なのかもしれません。
これなら耕さなくても稲が作れるかもしれない。
耕さずに、そのまま水を入れてみると、、、
期待したように水が溜まってくれました〜。
草が頭を出していたので、土に混ぜ込むことに。
砕土機を使って土の表面だけをかき混ぜていきます。
土を起こしていないので、
浅くて歩きやすく平らにしていく手間もかかりません。
しばらく水を入れたままにしておくと表面の土が柔らかくなり、
草抑えにもう一度、田植え前に馬鍬を使って代かきをしました。
こうして耕さずに田植えのできる状況になりました。
田んぼに植える苗は手植えをするので苗代を作りました。
藁にいる微生物が苗を守ってくれるのではないかと期待して、
冬の間に藁を敷いて周りに水路を作り、苗代を用意してありました。
田植えをする頃には苗が5葉を超え、
背を抑えつつ色も浅く分蘖も始まり根もしっかりしてきました。
1本づつ、しっかり植えていきます。
間隔を広げ分蘖(ぶんけつ)によって穂数を増やします。
苗を植える手数を減らし、稲の増える力に任せます。
しばらくすると根が張って稲が大きくなってきました。
沢山できること、早くできることを目指すのではなく、
共存する微生物からの生態系の豊かさを取り戻し、
災害や害虫などの環境変化につよい持続的な栽培にしたい、
そんな思いがあります。
冬に水を入れ続ける訳にはいかない場所のほうが多く、
どうしても水が抜けるようになってしまったら耕すことになり、
馬耕する必要がなくなることはありません。
不耕起や馬耕には、どちらも脱炭素という共通項があります。
次世代の暮らしを考えればこそ、取り組む意味のあるものではないでしょうか。
この後も耕した田んぼとの違いを見ていきたいと思います。